問いと答えは、かみ合っていたか。
次の通告書作成に、つながる一歩を。
採点の前に、まず通告書だけを読み、それぞれの問いが「何を聞き、何を変えたいのか(到達点)」を読み取りました。到達点が通告書から見えるほど、初回の答弁から議論が前に進みます。
3問とも「現状と今後を伺う」。思いは伝わりますが、何を・どこまで実現したいかが通告書からは見えにくく、初回答弁は現状報告になりやすい形です。
「玄関近くに駐車場を設け、通路を整備できないか」「控室トイレの常時使用で確保できないか」と、具体策の可否を問う提案型。何を変えたいかが、はっきりしています。
①「実施状況と今後を伺う」は現状確認。一方③は「実態に合うよう取り組む必要があると考える」と、議員の考え=到達点に近づいています。
③「検討する場をつくれないか」は提案・到達点が明確。①の実態把握・②の支援方針は、その③に向けた前振りと位置づけられます。
「総合管理計画では費用対効果を検証するとされている」と根拠を引き、検証の方法・時期、そして結果の公表のしかたまで求めています。ねらいが立っています。
「締結前に議会と協議する手順を加える」「村のホームページで公開できないか」と、明確な提案。①の現状確認は、その布石になっています。
通告書(問い)と、それに対する初回の答弁(最初の答え)を、一問ずつ照らし合わせた結果です。議場での再質問・再答弁は含めていません。
めざすのは「再質問のいらない通告書」――最初の答えで、すべてが返ってくる形だからです。再質問は、その場のやりとりで、傍聴する住民には追いにくく、事前の準備もできません。だからこそ、最初の問いと最初の答えが、どれだけかみ合ったかを見ます。
| 質問のテーマ | 判定 | 判定の理由 | 次の通告書での一手 |
|---|---|---|---|
| 1 高齢者世帯の支援 | △ | 現状は具体的。「今後」は数字の指定がなく、「継続」の答えに | 「今後」に求める数字を添える |
| 2-1 ビレッジハウスの通路 | ✕ | 通路整備の可否を聞いたが、答えは「会場の選定」に向いた | 会場継続を前提に置いて聞く |
| 2-2 ふれ愛館のトイレ | ◎ | 可否を聞き、可否(不可/条件付き可)がはっきり返った | 可否を問う形を、続ける |
| 2-3 公共施設の点検・アンケート | ✕ | 新しい仕組みを提案したが、答えは「随時実施」の説明に | 実施の可否と時期を問う |
| 3-1 農地パトロール | ✕ | 「実施状況」とだけ聞き、数字は求めず。「継続」の答えに | 回数・面積・件数を指定する |
| 3-2/3 農地台帳・固定資産税 | △ | 台帳は具体的。固定資産税の論点には、答えが及ばなかった | 固定資産税の論点を分けて聞く |
| 4-1 牧野組合の実態把握 | △ | 「実態」の中身を名指しせず、答えは「情報共有」に | 把握する項目を名指しする |
| 4-2 牧野組合への支援 | ○ | 次の行動を聞き、「ヒアリング実施予定」と返った | 次の行動を問う形を、続ける |
| 4-3 検討の場づくり | ✕ | 新しい場を提案したが、答えは「これまで同様」に | 新設の可否と時期を問う |
| 5-1 防球ネットの費用対効果の検証的確 | ✕ | 問いは的確(村の計画を根拠に、方法・時期を明示)。それでも答弁は「必要性」にとどまり、届かなかった | 記録して、次の定例会で問い続ける |
| 5-2/3 将来費用の総額 | △ | 見込み額を聞いたが、「これから具体化」と先送りの答えに | 概算でも見込み額を求める |
| 6-1 協定の方針・手順 | △ | 手順を聞いたが、「特に定まっていない」との答えに | 手順を要素に分けて聞く |
| 6-2/3 議会協議・情報公開 | ✕ | 協議・公開を提案したが、答えは「必要ない/公表できない」に | 報告など代替案を添えて聞く |
この問いは、的確でした。
5-1 は、村の「公共施設等総合管理計画」を根拠に、検証の方法と時期をはっきり尋ねた、的確な問いでした。それでも答弁は「必要性」の説明にとどまり、問いの的には届きませんでした。
これは、問い方を変える場面ではありません。次の一手は改善ではなく――この到達点を記録に残し、次の定例会で、同じ計画を根拠に、もう一度問う。責めるのではなく、問い続ける。それも、めざす協創の形です。
あなたの強みは、提案型の問い。あとは、現状確認で始まる問いに「到達点」を一行足すだけです。型でいえば――「現状を聞く問い」から「到達点を示す問い」へ。下の5つが、その具体的な変え方と、書くときの注意点です。
改善例 1 農地パトロール(3-1)|数字を求める型に
注意:「実施状況」だけだと現状報告で終わる。求める数字を名指しすると、初回から数字が返る。
改善例 2 ビレッジハウスの通路(2-1)|前提を固定する型に
注意:前提(会場は変えない)を先に固定しないと、答えが「会場の見直し」へ逃げる。
改善例 3 牧野組合の実態把握(4-1)|項目を名指しする型に
注意:「実態」は広すぎて「情報共有しています」で終わる。把握する中身を、項目で指定する。
改善例 4 検討の場づくり(4-3)|可否と時期を問う型に
注意:「つくれないか」だけだと「これまで同様」で流れる。可否(設けるか)と時期(いつまでに)を問うと、答えが定まる。
改善例 5 議会との協議(6-2)|代替案を添える型に
注意:「協議を」だと「必要ない」で返りやすい。「報告から」「段階的に」と、相手が乗りやすい代替案を添える。
5つに共通するのは、現状を聞くだけで終わらせず、求める数字・可否・時期・到達点を、こちらから先に書くこと。とはいえ、過去の問いはもう終わったこと――上の5つは"型の見本"です。本当に大事なのは、次の一般質問。そのための視点と言葉例を、続けてお渡しします。
この診断で、いちばんお伝えしたいこと。
次の通告書は、この順番で。
まず、「到達点」を決める。
何を、いつまでに、どう変えたいか。ここが決まれば、もう半分できたようなものです。いちばん大事な、一行。
つぎに、「答えの形」を指定する。
数字/可否/時期――どれを返してほしいか、先に書いておきましょう。それだけで、初回の答弁が見ちがえます。
さいごに、「代替案」をそっと添える。
「難しければ、◯◯からでも」。あなたの得意な提案型の出番です。相手も、ぐっと動きやすくなります。
言い回しは、用意しておきました。
〔 〕を埋めるだけ。次の通告書に、そのまま置けます。
「〔テーマ〕について、〔いつまでに〕〔何を〕〔どうしたい〕と考える。現状の〔 〕と、今後の取組を伺う。」
「①〔 〕②〔 〕③〔 〕の直近◯年の数字と、今後の対応を伺う。」
「〔施策〕を、いつ・どの範囲で行えるか。難しい場合の代替案も含めて伺う。」
「検証の結果を、いつ・どのような形で村民に公表するのか伺う。」
書けたら、3つの視点から、この10個を確かめてください。問いの形だけでなく、傍聴する住民に伝わるか、職員が答えられるか――そろうほど、最初の答弁から返ってきやすくなります。
1.問いの形
2.住民の視点で
3.職員の視点で
一般質問の健康診断