これは見本です。同じ診断結果を、2つの見せ方でご用意しました。
見せ方: ① クリーム(通読型) ② 白基調(色分け型)

一般質問の健康診断 結果

問いと答えは、かみ合っていたか。
次の通告書作成に、つながる一歩を。

飯舘村議会議員 横山秀人/令和8年6月定例会(6項目18問)
診断:合同会社つなぐ

① 問いのねらい

その質問は、何を求めていたか。

採点の前に、まず通告書だけを読み、それぞれの問いが「何を聞き、何を変えたいのか(到達点)」を読み取りました。到達点が通告書から見えるほど、初回の答弁から議論が前に進みます。

1.高齢者世帯の支援現状確認にとどまる

3問とも「現状と今後を伺う」。思いは伝わりますが、何を・どこまで実現したいかが通告書からは見えにくく、初回答弁は現状報告になりやすい形です。

2.だれもが使いやすい公共施設到達点が明確 ★ 手本になる形

「玄関近くに駐車場を設け、通路を整備できないか」「控室トイレの常時使用で確保できないか」と、具体策の可否を問う提案型。何を変えたいかが、はっきりしています。

3.農地の取扱いと農地パトロール一部明確

①「実施状況と今後を伺う」は現状確認。一方③は「実態に合うよう取り組む必要があると考える」と、議員の考え=到達点に近づいています。

4.牧野利用農業協同組合一部明確

③「検討する場をつくれないか」は提案・到達点が明確。①の実態把握・②の支援方針は、その③に向けた前振りと位置づけられます。

5.防球ネット等の費用対効果到達点が明確

「総合管理計画では費用対効果を検証するとされている」と根拠を引き、検証の方法・時期、そして結果の公表のしかたまで求めています。ねらいが立っています。

6.協定の方針・手順と情報公開到達点が明確

「締結前に議会と協議する手順を加える」「村のホームページで公開できないか」と、明確な提案。①の現状確認は、その布石になっています。

② 問いと答えのかみ合い

問いと答えは、かみ合っていたか。

通告書(問い)と、それに対する初回の答弁(最初の答え)を、一問ずつ照らし合わせた結果です。議場での再質問・再答弁は含めていません。
めざすのは「再質問のいらない通告書」――最初の答えで、すべてが返ってくる形だからです。再質問は、その場のやりとりで、傍聴する住民には追いにくく、事前の準備もできません。だからこそ、最初の問いと最初の答えが、どれだけかみ合ったかを見ます。

◎ 1問いと答えが、かみ合った
○ 1おおむね、かみ合った
△ 5一部だけ、かみ合った
✕ 6かみ合わなかった
質問のテーマ判定判定の理由次の通告書での一手
1 高齢者世帯の支援現状は具体的。「今後」は数字の指定がなく、「継続」の答えに「今後」に求める数字を添える
2-1 ビレッジハウスの通路通路整備の可否を聞いたが、答えは「会場の選定」に向いた会場継続を前提に置いて聞く
2-2 ふれ愛館のトイレ可否を聞き、可否(不可/条件付き可)がはっきり返った可否を問う形を、続ける
2-3 公共施設の点検・アンケート新しい仕組みを提案したが、答えは「随時実施」の説明に実施の可否と時期を問う
3-1 農地パトロール「実施状況」とだけ聞き、数字は求めず。「継続」の答えに回数・面積・件数を指定する
3-2/3 農地台帳・固定資産税台帳は具体的。固定資産税の論点には、答えが及ばなかった固定資産税の論点を分けて聞く
4-1 牧野組合の実態把握「実態」の中身を名指しせず、答えは「情報共有」に把握する項目を名指しする
4-2 牧野組合への支援次の行動を聞き、「ヒアリング実施予定」と返った次の行動を問う形を、続ける
4-3 検討の場づくり新しい場を提案したが、答えは「これまで同様」に新設の可否と時期を問う
5-1 防球ネットの費用対効果の検証的確問いは的確(村の計画を根拠に、方法・時期を明示)。それでも答弁は「必要性」にとどまり、届かなかった記録して、次の定例会で問い続ける
5-2/3 将来費用の総額見込み額を聞いたが、「これから具体化」と先送りの答えに概算でも見込み額を求める
6-1 協定の方針・手順手順を聞いたが、「特に定まっていない」との答えに手順を要素に分けて聞く
6-2/3 議会協議・情報公開協議・公開を提案したが、答えは「必要ない/公表できない」に報告など代替案を添えて聞く

この問いは、的確でした。

5-1 は、村の「公共施設等総合管理計画」を根拠に、検証の方法と時期をはっきり尋ねた、的確な問いでした。それでも答弁は「必要性」の説明にとどまり、問いの的には届きませんでした。

これは、問い方を変える場面ではありません。次の一手は改善ではなく――この到達点を記録に残し、次の定例会で、同じ計画を根拠に、もう一度問う。責めるのではなく、問い続ける。それも、めざす協創の形です。

③ 改善案

質問の「型」を、こう変える。

あなたの強みは、提案型の問い。あとは、現状確認で始まる問いに「到達点」を一行足すだけです。型でいえば――「現状を聞く問い」から「到達点を示す問い」へ。下の5つが、その具体的な変え方と、書くときの注意点です。

改善例 1 農地パトロール(3-1)|数字を求める型に

これまで
「実施状況と今後の進め方を伺う」
これから
「直近3年の①実施回数 ②調査面積 ③是正件数と、未調査区域への今後の対応を伺う」

注意:「実施状況」だけだと現状報告で終わる。求める数字を名指しすると、初回から数字が返る。

改善例 2 ビレッジハウスの通路(2-1)|前提を固定する型に

これまで
「歩きやすい通路を整備できないか伺う」
これから
「確定申告会場をビレッジハウスで続ける前提で、玄関近くの駐車場と通路整備を、いつ・どの範囲で行えるか伺う」

注意:前提(会場は変えない)を先に固定しないと、答えが「会場の見直し」へ逃げる。

改善例 3 牧野組合の実態把握(4-1)|項目を名指しする型に

これまで
「村は実態をどのように把握しているか伺う」
これから
「牧野組合ごとの①組合数・組合員数 ②保有する農地・山林の面積 ③現在の活動状況を、どこまで把握しているか伺う」

注意:「実態」は広すぎて「情報共有しています」で終わる。把握する中身を、項目で指定する。

改善例 4 検討の場づくり(4-3)|可否と時期を問う型に

これまで
「検討する場をつくれないか伺う」
これから
「牧野組合のあり方を検討する場を、今年度中に設けられないか。設けられない場合は、いつ判断するのかを伺う」

注意:「つくれないか」だけだと「これまで同様」で流れる。可否(設けるか)と時期(いつまでに)を問うと、答えが定まる。

改善例 5 議会との協議(6-2)|代替案を添える型に

これまで
「締結前に議会と協議する手順を加えることについて、村の見解を伺う」
これから
「協定の締結前に、議会へ"報告"する手順を設けられないか。難しければ、締結後すみやかに報告する運用からでも始められないか伺う」

注意:「協議を」だと「必要ない」で返りやすい。「報告から」「段階的に」と、相手が乗りやすい代替案を添える。

5つに共通するのは、現状を聞くだけで終わらせず、求める数字・可否・時期・到達点を、こちらから先に書くこと。とはいえ、過去の問いはもう終わったこと――上の5つは"型の見本"です。本当に大事なのは、次の一般質問。そのための視点と言葉例を、続けてお渡しします。

④ これから

この診断で、いちばんお伝えしたいこと。

次の通告書から、少しずつ。

この通告書づくりは、答弁を引き出すこと自体が、ゴールではありません。あなたがお聞きした住民の声を、考えに考えて、一つの問いや提案にまとめ上げ、行政に届け、安心して暮らすことができる地域をつくる一歩です。
ここまで、本当によく考えられた質問でした。あとは、ほんの少しの工夫で、もっと届くようになります。むずかしく考えなくて、大丈夫。順番に整えていけば、きっと、伝わる通告書になります。次の通告書に向けて、大切なのは、3つだけ。

次の通告書は、この順番で。

1

まず、「到達点」を決める。

何を、いつまでに、どう変えたいか。ここが決まれば、もう半分できたようなものです。いちばん大事な、一行。

2

つぎに、「答えの形」を指定する。

数字/可否/時期――どれを返してほしいか、先に書いておきましょう。それだけで、初回の答弁が見ちがえます。

3

さいごに、「代替案」をそっと添える。

「難しければ、◯◯からでも」。あなたの得意な提案型の出番です。相手も、ぐっと動きやすくなります。

言い回しは、用意しておきました。

〔 〕を埋めるだけ。次の通告書に、そのまま置けます。

到達点を先に置く

「〔テーマ〕について、〔いつまでに〕〔何を〕〔どうしたい〕と考える。現状の〔 〕と、今後の取組を伺う。」

数字・項目で締める

「①〔 〕②〔 〕③〔 〕の直近◯年の数字と、今後の対応を伺う。」

可否と時期を問う

「〔施策〕を、いつ・どの範囲で行えるか。難しい場合の代替案も含めて伺う。」

公表・段階で締める

「検証の結果を、いつ・どのような形で村民に公表するのか伺う。」

⑤ チェックリスト

次の通告書、出す前に。

書けたら、3つの視点から、この10個を確かめてください。問いの形だけでなく、傍聴する住民に伝わるか、職員が答えられるか――そろうほど、最初の答弁から返ってきやすくなります。

1.問いの形

到達点を、一行で書いた
何を・いつまでに・どう変えたいか
答えの形を、指定した
数字/可否/時期/方針/公表 のどれか
具体項目を、名指しした
「実態」ではなく、①②③で
代替案を、そっと添えた
難しければ、まず◯◯から

2.住民の視点で

傍聴する住民が、話の筋を追える
前置きは短く、問いははっきり
暮らしの何がよくなるかが、見える
誰の・何のための質問か
答えのあとに、何が起きるかが分かる
結論と時期がある

3.職員の視点で

職員が、答えを用意できる問いになっている
範囲が広すぎず、答えようがある
一つの問いで、一つのことだけ聞いている
いくつもの論点を束ねていない
役場を責める言葉になっていない
「なぜしないか」ではなく「どうすれば進むか」
あなたの質問には、村をよくしたいという思いが、しっかり込められています。あとは、ほんの少しの工夫だけ。次の通告書から、ひとつずつ、整えていきましょう。きっと、もっと伝わる通告書になります。
めざすのは「的確な目標」と「的確な通告文」――再質問のいらない通告書、最初の答弁で100%。あなたなら、できます。応援しています。
サービスの説明・お申し込みへ ▶

一般質問の健康診断